老舗ボヘミアガラスメーカーの売却成功、経営存続へ

昨年、支払不能に陥ったボヘミアガラスの老舗メーカー、リュックル・クリスタル(Rueckl Crystal)の入札手続きが6日完了し、大手機械部品メーカーのヴィコフ(Wikov)のオーナーが保有するBVYチェコが2,250万コルナ(83万2,408ユーロ)で買収することが決まった。これにより、同社の存続がひとまず確保される。

BYVチェコのオーナーであるマルティン・ヴィヒテルレ氏は、歯車・ギアの開発・製造を手掛けるヴィコフグループを保有する。曽祖父は第2次世界大戦前にあった自動車メーカー、ヴィコフの創始者で、祖父はソフトコンタクトレンズの発明者という家系に育った。2012年創業のクリスタルメーカー、ボマにも51%出資している。

リュックル・クリスタルは1903年以来、ニジュボルに拠点を構えて操業を続けてきた。第2次大戦後に国有化され、体制転換後の1992年に創始者の直系の子孫であるイジー・リュックル氏が3,700万コルナで買収した。チェコの映画賞「チェコ・ライオン賞」のトロフィー製造元としても知られる。

2008年の金融危機は乗り越えたものの、政治的要因から主要市場であるロシア、エジプト、イランでの販売が激減。溶解炉の故障が追い打ちをかけた。(1CZK=4.56JPY)

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