ドイツのフリードリヒスハーフェンで開催された航空見本市「エアロ2016」で21日、ハンガリーのマグヌス・アエロクラフト(Magnus Aircraft)と独シーメンスが共同開発した電気飛行機「マグヌス・イーフュージョン」が「eフライト賞」を受賞した。電気を動力源とし(electrical)、環境配慮型(ecological)かつ革新的(evolutionary)の3つのeを満たした新技術に付与されるもので、マグヌスは訓練機などでの需要を見込む。
イーフュージョンは完全電動型の低翼飛行機だ。マグヌスの本拠、ケチュケメートで今月11日、初飛行に成功した。機体重量は410キログラム(バッテリー、飛行機用緊急パラシュートシステムを含む)で、最大離陸重量は600キログラムとなっている。
シーメンスが小型飛行機向けに開発したバッテリー・駆動システムを搭載する。モーターの最大出力は80キロワットで、離陸時は60キロワット、巡航時は45キロワットとなる。
マグヌスでは来年から受注を開始する予定だ。従来の内燃エンジンを搭載した複座機に比べてコストが小さいことをアピールし、飛行教習・訓練での需要を取り込みたいとしている。曲芸飛行もできる操作性を活かし、旅客機運航中に機体が異常な姿勢に陥ったときの回復訓練(upset recovery training)にも使えるという。