アドリア海横断パイプラインが着工

ギリシャ国境からアルバニアを経由してイタリアに至るアドリア海横断パイプライン(TAP)の着工記念する式典が17日、ギリシャのテサロニキで開催された。同式典にはギリシャのツィプラス首相の他、欧州連合(EU)の欧州委員会のセフチョヴィッチ副委員長(エネルギー同盟担当)、ブルガリアのドンチェフ副首相などが出席した。

全長870キロメートルのTAPは、アゼルバイジャンのシャーデニス・ガス田で産出する天然ガスをトルコ経由でイタリアまで運ぶ「南ガス回廊」の一部となるもの。2019年~20年の完成を目指しており、当初は100億立法メートルを輸送する。欧州連合(EU)は南東欧諸国のエネルギー源の多様化につながるとして建設を後押ししてきた。

同パイプライン計画はギリシャとブルガリアを結ぶ「インターコネクター・ギリシャ・ブルガリア」(IGB)の区間を含む。式典に出席したブルガリアのペトコバ・エネルギー相は、IGBによってTAPがブルガリアのエネルギー供給網にも接続されるとし、TAPの重要性を強調した。IGBの輸送能力は当初年間30~50億立法メートルで、最終的に100億立法メートルまで増加させる予定だ。稼働開始は2018年半ばを目指している。

南ガス回廊はTAPと、アゼルバイジャンからグルジアに至る南コーカサスパイプライン(SCP)及びトルコを横断するアナトリア横断パイプライン(TANAP)からなる。TANAPについては昨年5月に既に建設が開始されている。

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