GMのウズベキスタン合弁会社、汚職疑惑で社長逮捕

米ゼネラルモーターズ(GM)がウズベキスタンのウズアフトサノアート(UzAvtosanoat)と合弁で運営するGMウズベキスタン(ウズベクGM)が汚職疑惑にゆれている。ジャリロフ社長など10人を超える関係者が汚職、横領、資金洗浄などの容疑で逮捕されたというのだ。ただ、この事件は民間メディアが報じただけで公共メディアは触れていない。ウズベクGMも「ジャリロフ社長は退職した」とだけコメントしている。

ラジオ・フリーヨーロッパの現地事務所によると、ウズベクGM製の自動車をロシアに輸出すると偽って国外へ運び、改めてウズベキスタンへ運び入れて「輸入車」として販売したことが疑われている。ロシアでの販売価格6,400米ドルに対してウズベキスタンでの「輸入車」価格は1万8,000ドル。この差額を着服していたということのようだ。

逮捕者の中には、ウズベクGM財務部管理職の2人、ロシア・ヴォロネジ市への輸出に関係する人物、詐欺を隠すのを手伝った保安庁職員2人が含まれるという。

しかし、ウズベクGM・ロシア現地事務所のクズネツォバ営業部長はロイター通信の取材に対し、検察当局の捜査は「ロシア販売会社の未払いに関連するもの」として事件との関連を否定した。本社でも「社長は先月末で退職した」とするだけで、逮捕に関するコメントは避けた。検察当局も保安庁も取材に応じず、真相に迫るのは難しい。

米民間情報機関のストラトフォーは、カリモフ大統領の引退を視野に入れた政治闘争とみる。ウズベクGMの親会社であるウズアフトサノアートの取締役はアジモフ財務相やルジクロフ副首相といった大物が務めている。汚職疑惑もカリモフ大統領が4月末のロシア訪問時に不正に気づいて捜査を命じたとされ、政争説の傍証となっている。

GMウズベキスタンは2008年にウズベキスタン・韓国合弁のウズ大宇アフトの事業を継承する形で設立された。出資比率はGMが25%、ウズアフトサノアートが75%。

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