自前のハイパーループを開発(したい)~ロシア

次世代交通システム「ハイパーループ」のロシア版を開発する動きが出ている。現地RBCニュースの取材に対しソコロフ運輸相が明らかにしたもので、「(ハイパーループのような)プロジェクトは未来を創るものだ」と熱心さをアピールした。

サンクトペテルブルグ運輸通信大学はすでに2年前にハイパーループの原理が実際に機能することをプロトタイプで証明したという。また、ロシア国鉄(RZD)は2~3カ月ほど前にハイパーループ・ワン(旧ハイパーループ・テクノロジーズ)と共同作業グループを結成し、実用化の可能性を探っているもようだ。

ハイパーループは、真空近くまで気圧を減らしたチューブ内で磁気を推進力に旅客カプセルを運行するシステム。テスラ・モーターズの社長として知られるイーロン・マスク氏の発案で、現在、複数のベンチャー企業が事業化に取り組んでいる。

なお、ハイパーループ・ワンは先月10日に米ラスベガスで走行試験に成功したばかり。19年までに貨物輸送を、21年までに旅客輸送を開始する目標だ。なお、同社は先月、競合「ハイパーループ・トランスポーテーション・テクノロジーズ(HTT)」と混同されるのを防ぐため、社名を改めた。(東欧経済ニュース2016年3月23日号「スロバキア政府、「ハイパーループ」の事業化調査で合意」を参照)