ロシア石油最大手の国営ロスネフチが8日発表した2016年1-3月期の純利益は140億ルーブル(約1億9,000万ユーロ)となり、前年同期の560億ルーブルから73.6%減少した。原油価格が過去13年間で最低水準をつけるなど大幅下落したことに加え、鉱物資源採掘税の引き上げで税負担が増え、利益を圧迫した。
売上高は原油価格の下落が響き、12.4%減の1兆480億ルーブル(約144億ユーロ)に縮小した。営業利益(EBITDA)は1.8%減の2,730億ルーブル(約37億4,000万ユーロ)。一方、コスト削減や販売体制の改善が奏功し、売上高営業利益率は前期の23.2%から26.0%に上昇した。
資本投資は前年同期比で20%増。北シベリアのスズン油田、ユルブチェノ=タホモ油田の坑井作業などに投資した。ドル建て債務は44.8%減の239億ドルに縮小した。(1RUB=1.66JPY)
■南アジア下流事業への投資に意欲
ロスネフチは同日、南アジアにおける下流事業への投資を検討していることを明らかにした。インドなどを中心に経済成長の勢いが加速しそうなためだ。原油安の環境下でも大型投資を視野に入れていることを公表することで、事業成功に対する自信を示している。
南アジア諸国における石油需要が拡大するとみて、製油所やガソリンスタンドなど下流インフラを整備し、利益拡大を図りたい考えだ。すでにインドでは昨年、原油供給契約の一環として、同国製油第2位であるエッサール石油の株式49%を取得した。また、インドネシア国営のプルタミナとは製油事業で130億ドルの共同投資を検討中だ。