対ロ経済制裁の6カ月延長を正式決定、ロシアも禁輸延長で対抗

欧州連合(EU)は1日、ウクライナ情勢を受けて発動したロシアに対する経済制裁を、2017年1月末まで6カ月延長することを正式に決めた。ただ、ロシアに対して強硬な姿勢を示してきた英国のEU離脱が決まったことで、対ロ制裁をめぐる今後の協議に影響が出る可能性もある。

EUはロシアによるクリミア併合を受け、14年8月に対ロ経済制裁を発動した。金融取引の制限、エネルギー分野における技術供与の制限、軍事関連の技術援助や資金援助の制限、資産凍結とビザ発給停止対象者のリスト拡大を柱とする内容。当初は1年間の期限付きだったが、その後、昨年2月に成立したウクライナ東部での停戦合意をロシアが完全に履行するまで制裁を解除しない方針を決め、これまで半年ごとに制裁を延長している。今回の延長は6月21日の大使級会合で基本合意していた。

EUが対ロ制裁の延長を決めたことを受け、ロシア側も1日、対抗措置として実施しているEUからの農産品や食料品の輸入禁止を2017年1月末まで6カ月延長すると発表した。外務省はEUの決定について、極めて「近視眼的な政策」であり、ウクライナ東部での停戦合意の履行状況と経済制裁を結びつけることは「ばかげている」と非難。ウクライナへの軍事介入を停止する考えはないことを改めて示した。

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