ポーランド国営天然ガス大手のPGNiGは6月28日、液化天然ガス(LNG)の取引事務所をロンドンに設置する計画を明らかにした。欧州のLNG取引ハブである同地に進出し、シフィノウイシチェ基地で受け入れたLNGの有効活用を図る。
来年1月に事務所を設置し、3月末までに取引業務を本格化する。欧州連合(EU)離脱が見込まれる中でロンドン進出を敢行することについて、ヴォズニアク社長は「欧州の金融ハブがロンドンからどこかへ移ることになったときは、我々も移動すれば良い」と話し、移管シナリオも織り込み済みであることを明らかにした。ロンドンではシェニエールやグレンコアと言った競合も取引事業を展開している。
PGNiGは先月、ドイツとの国境に近いバルト海沿岸のシフィノウイシチェ基地を通じたガス調達を本格的に開始した。LNG基地は調達先の多様化でロシア産ガスへの依存を減らすポーランド政府の試みの一つだ。