ウクライナ政府が経済振興策として物流インフラの整備を計画している。アジアからの積み荷を北欧・バルト海沿岸国に運ぶ中継地としての地位を固めたい意向で、司法整備を通じて国外から投資を呼び込む方針だ。ブルームバーグが12日に報じた。
オメリャン・インフラ相によると、アジア、中国からスカンジナビア半島やバルト諸国に運ばれる荷物を黒海沿岸港で積み替え、鉄道や内水航路を通してバルト海へ輸送する構想だ。ただ、港湾、鉄道、河川輸送のインフラは老朽化しており、大規模な改修・近代化が避けられない。このため、外資の誘致を狙っている。
すでに中国の中海コンテナ、アラブ首長国連邦のドバイ・ポートと交渉中で、和記黄埔港口(ハチソン・ポート:HPH)とも予備交渉を始めたという。
外資誘致には、官僚主義の是正と汚職対策が肝要だ。法的枠組みの整備では現在、民営化や事業運営免許、鉄道・河川輸送戦略に関連する法律が議会で審議されている。政府は関税制度の簡便化や高い港湾料金の引き下げなどにも取り組んでいる。