電気バス製造大手の中国・比亜迪汽車(BYD)が今年10月からハンガリー北西部のコマーロムで生産を開始するもようだ。投資規模は500万ユーロ。初年度生産台数は100台で段階的に拡大する。現地証券情報サイト「ポートフォリオ」が26日、匿名筋から独自に入手した情報として伝えた。
「ポートフォリオ」は投資規模からみて、コマーロム工場が研究開発機能を持たない小規模な生産拠点になると推測する。まずは従業員100人体制、年産規模100台でスタートし、最終的に雇用を300人まで増やすという。電気バスだけでなく、電気自動車(EV)やフォークリフトの製造も視野に入れている。
BYDは昨年10月、ブダペスト市による入札を通じて電気バス5台のリース契約を受注したのを機に現地生産を本格的に検討し始めた。しかし、契約が解除されたために決定が遅れていた。
最終決定につながったのは、欧州連合(EU)の他の自動車生産国に工場建設を打診したところ、歓迎されなかったためという。EU市場進出の足場としてハンガリー工場を位置づけたもようだ。