トルコ、光通信網関連の投資拡大

トルコが光通信網の拡充とモバイル通信用基地局の増設を計画している。モバイルデータ通信に対する需要の高まりを背景に、同国の通信事業者は関連施設増設に向けた投資を計画している他、政府も光通信網の普及拡大や第5世代通信の導入に向けて動き出すなど同国での通信関連設備に対する投資は増大する見通しだ。必要とされる投資額は80億ユーロを超えると推計されている。

現在の同国における光通信網はおよそ25万キロメートル。独立系電気通信事業者の団体Telkoderのユスフ・アタ・アリアク会長によれば、長期的には現在の6倍となる150万キロメートルまで延長する必要があるという。また現在10万カ所あるモバイル通信用基地局を少なくとも3万カ所増設する必要がある。政府は光通信網の普及率を2023年までに全2,000万世帯の80%まで高めることを計画している。英ボーダフォンは必要となる投資額は260億リラ(約78億ユーロ)に上ると試算している。3万5,000キロメートルの光通信網を保有する国内最大手トルクセルはさらなる拡張を図るため320万リラを投資する計画だ。

また固定電話最大手のトルコテレコムは、子会社のトルコテレコム・インターナショナルを通して国際プロジェクト「SEA-ME-WE-5」に参加している。17カ国が参加する同計画は、フランスとシンガポール間の2万キロメートルにわたる海底に光ケーブルを敷設するというもので総投資額は7億ドル。同プロジェクトに関しては今年初めにトルコ南西部の海岸に面するマルマリスに接続基地が完成している。トルコテレコムは国内に総延長2万キロメートルにわたる光通信網を保有している。

トルコではサーフスティック、タブレット、スマートフォンといった通信機器のブームが続いており、モバイルデータ通信に対する需要はさらに高まっている。同国では今年4月には第4世代(4G)通信が導入されたが、今後はイスタンブールを皮切りに4.5世代(4.5G)通信が大都市から地方にまで徐々に広がる見通しだ。政府は2020年までに第5世代(5G)通信を導入することを予定している。(1TRY=34.14JPY)

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