カザフスタン防衛省は22日、イスラエルと共同で無人航空機(UAV)を生産することで合意したと発表した。イスラエルのUAVをカザフスタンで製造する。生産モデルや日程など詳細は明らかにされていない。
生産はアスタナにある航空技術センターが担当する。また、カザフ軍兵士に対する訓練はイスラエルで実施する。
航空業界情報サイト「フライトグローバル」によると、カザフスタン側は「ヘロンI」や「ヘルメス450」といった中高度長距離型UAVに最も関心を示しているもようだ。また、当初イスラエルからの輸入でスタートし、その後現地生産に移行することも検討されている。
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のデータベースによると、2001~11年のUAV輸出に占めるイスラエルの比率は41%と、世界最大のUAV輸出国となっている。一方、カザフスタンは低空位短距離型UAVしか装備していない。2010年にはフランスのサジェムとの合弁生産計画を発表したが、その後、進展をみていない。
カザフスタンは経済規模で世界30位内に入ることと同時に、国際的な紛争・対立の仲介役となることを目指している。その実現に向けてロシア、中国、米国、欧州などの主要国と良好な関係を築く「多方位外交」を展開している。イスラエルも目的達成に重要な国で、政府は関係深化に努めている。今年12月にはネタニヤフ首相がカザフスタンを訪問する予定だ。