チェコと独の研究機関、インダストリー4.0で相互協力

ドイツのメルケル首相とチェコのソボトカ首相はこのほどプラハで会談し、両国の研究機関が製造業のデジタル化(インダストリー4.0)に向けて協力していくことで合意した。会談に合わせて、ドイツ人工知能研究所(DFKI、ザールブリュッケン)とチェコの情報学・ロボット工学・サイバネティクス研究所(CIIRC、プラハ)が協力協定を締結。人とロボットの協調(MRK4.0)などの分野で共同研究を進める予定で。両研究所の所在地にそれぞれ関連研究を行うイノベーション研究室を設置する。ドイツ側については連邦教育科学省が10億ユーロを支出する予定だ。

共同研究の課題であるMRK4.0では、センサー技術、ウェアラブル、仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR: Mixed Reality)などに加え、ロボットシステムとのマルチモーダルな相互機能といった技術を利用し、人とロボットの共同作業を実現することを目指す。

チェコ政府も2015年に「Prumysl 4.0」を打ち出し、インダストリー4.0に対する国家的な取り組みを開始した。今回の協力の内容については14年に発足したCIIRCが今年4月に開催したワークショップでも議論された。次回ワークショップは12月にベルリンで開催される予定だ。

CIIRCとDFKIは欧州連合(EU)の長期プロジェクト「TRADR」でもロボットと人の協調に関する研究を既に行ってきている。

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