ジョージア(グルジア)で8日行われた議会選挙(定数:150)は、バランス外交を掲げる与党「ジョージアの夢(GD)」が48.6%を確保し、サーカシヴィリ前大統領の野党「統一国民運動(UNM)」の27.1%に大差をつけて勝利した。親ロシアの「愛国者連合」は阻止条項で定める5%を獲得し、議会入りを果たした。
ジョージアでは定数150のうち比例代表で77議席、小選挙区で73議席が選ばれる。最多得票者が過半数票を得られなかった小選挙区では上位2人による決選投票が行われるため、現時点では議席配分はまだ決まっていない。
ジョージアは欧州連合(EU)及び北大西洋条約機構(NATO)との提携強化を目指している。一方、隣国ロシアとの関係は南オセチアをめぐる2008年の紛争を機に悪化したままだ。南オセチアとアブハジアの領土問題という火種を抱えていては親欧米政策の進展は難しい。
今回、反ロシアの姿勢を明確にするUNMの勢力が後退し、親欧米路線をとりながらロシアとの関係改善も目指すGDが第一党の座を守ったことで、従来の路線がおおむね国民に受け入れられていることが示された。
UNMのサーカシヴィリ前大統領は汚職・弾圧などの疑いで国際指名手配を受けている。現在はウクライナ国籍を取得し、オデッサ州知事を務めている。選挙戦には国外から参加したが、国民の多くは08年以降の政治に悪い思い出があり、かえってUNMに不利になったとの見方もある。
選挙監視団を送った欧州安全保障協力機構(OSCE)によると、選挙は全体として公平に行われ、一部に妨害行為はみられたものの、選挙結果を左右するほどではなかったという。ジョージアでは前回の2012年議会選挙でUNMが敗北し、初めて平和的に政権が交代した。