トルコのカメラ市場、縮小続くも日本企業のシェア最大

トルコのカメラ市場の縮小が続いている。市場調査会社ユーロモニターによると、昨年だけでカメラの売上は43%減少した。2013年に10億ドルだった市場規模は数億ドルまで縮小した。背景にはカメラ機能を備えたスマートフォンが普及したことによる。市場関係者は、今後コンパクトカメラの需要の減少傾向は弱まるものの、市場全体の縮小はさらに続くと見ている。一方、市場シェアは日本メーカーだけで4割近くを占めている。

トルコでは近年の写真人気の高まりや都市部の中流層の所得の拡大、旅行者の増加といったカメラ需要を押し上げるプラス要因はあるものの、市場へのスマートフォンの浸透は大きく、減少傾向には歯止めがかからない。しかし同国にはプロの写真家が2万から2万5,000人存在しており、コンパクトカメラ以外の製品に対する需要は比較的堅調だ。プロの写真スタジオは肖像写真、衣装写真、広告写真、産業用写真といった多くの種類の写真を扱うが、最も重要なのが結婚式用の記念写真となっている。

トルコでも写真機器のデジタル化が進んでおり、プロの写真家でアナログ機器を使用しているものはほとんどいない状況だ。デジタルカメラ市場は国内での生産が行われていないこともあり、日本メーカーの輸入品が席捲している。輸入元はタイ、日本次いで中国の順になっている。

市場シェアの上位にはキャノンとニコンが食い込み、それぞれ19%と18%のシェアを持つ。韓国のサムスン電子が製品ラインナップを縮小したことも両社のシェア拡大に影響した。一方、ツァイスやライカといったドイツの有力メーカーは、認知度は高いものの価格競争力では劣っている。

カメラやその付属品の輸入は外国メーカーの輸入事業会社を通して行われている。関税は無税だが、購入に際し付加価値税18%および特別消費税20%がかかる。輸入においては税関手続が煩雑なため、許可を得るまでに通常少なくとも3カ月かかるという問題も指摘されている。

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