米テスラ・モーターズの欧州工場の立地候補としてハンガリー、ポーランド、ルーマニアと並び、チェコの名前が挙がっているもようだ。プラハ郊外が検討されているという。原料調達、人件費、地の利などがプラス要因だ。建設地は来年に発表される予定。
『ラジオ・プラハ』が21日、匿名筋の情報として報じたところによると、まず、電池の主要原料であるリチウム鉱山の存在が大きい。ドイツに近い北西部ドゥビーに位置し、欧州でも最大規模の33万トンが埋蔵されているとみられている。以前の見通しでは2022年ごろに生産が始まる見通しだ。開発は豪ヨーロピアン・メタルズ子会社のジオメットが担当する。
第2の要素は人件費の安さだ。欧米に比べると賃金が安く、しかも教育・職能水準が高い。
第3に、欧州中央部に位置し、西欧に近い地の利がある。ウィーンよりもずっと西方に位置し、欧州主要都市へのアクセスも容易だ。また、プラハの北には工業団地の跡地が多くあり、テスラが計画するような大規模工場が比較的容易に建設できる。
さらに、政府からの手厚い投資助成も期待できる。現在、政府はテスラと交渉中とみられるが、取材に対して「検討中の投資計画については一切コメントしない」と答えている。
テスラは今月、欧州工場の設置に向けて、自動製造システム(AMS)の有力メーカーである独グローマン・エンジニアリングを完全買収することを発表した。(東欧経済ニュース2016年7月6日号「チェコ、ボヘミアのリチウム資源が有望」を参照)