トルコ観光業界の逆境が続いている。政情不安・治安悪化で外国観光客数が急減しているためで、29日に観光省が発表した10月期外国人訪問客数(暫定値)も前年同月比25.8%減の245万人にとどまった。それでもロシアとの関係正常化で同国からの客足が戻り、4月以来で減少幅は最小となった。フラッグキャリアのターキッシュ・エアラインズ(旧トルコ航空)は需要低下を受けて定期便の運休や運行機材の縮小に踏み切った。
外国人訪問客数は1-10月期の累計で前年同期比31%減の2,270万人へ減少した。相次ぐテロや7月のクーデター未遂事件で観光客の足が遠のいたのに加え、ロシアとの外交関係悪化で外国人観光客として2番目に多いロシア人の訪問客数が78.3%も後退したことが大きく響いた。
関係正常化でロシア人訪問客数は10月に22万2,719人を数え、以前のようにドイツ人(49万1,000人)に次ぐ2位につけた。
フラッグキャリアのターキッシュ・エアラインは、需要減を受けて、292路線中22路線の運行を休止する。また、航空機材339機のうち30機の運用を中止する。
同社は昨年の利用客数が6,200万人と、2005年の4倍を記録した。今年は7,200万人を目指していたが、すでに6,300万人へ引き下げている。
1-9月期は4億6,300万米ドルの最終損失を計上した。前年同期は8億7,700万ドルの黒字だった。