リトアニア新首相にグクヴェルネリス氏

リトアニア議会で22日、首相指名選挙が行われ、「農民・緑の連合(LVZS)」が推すサウリス・スクヴェルネリス元内相が賛成90、反対4、保留33で首相に選出された。組閣を経て、来月7日までに親欧の社会民主党(LSDP)との連立政権が誕生する見通しだ。

スクヴェルネリス氏は警察庁長官時代に汚職捜査で国民から高い評価を受けた人物。政治家としてグリバウスカイテ大統領と並ぶ高い人気を誇る。社民党・ブトケヴィチュス政権で内相を務めたが、今回の議会選挙では無所属のまま、弱小政党だったLVZSの筆頭候補として出馬し、同党の勝利に大きく貢献した。

選挙戦では、貧困層の救済を目的に、増税と、基本食料品の付加価値税率引き下げを公約した。また、外交面では2018年までに国防費を北大西洋条約機構(NATO)の指針である「国内総生産(GDP)比2%超」に拡大すると訴えた。「ロシアの脅威」を根拠に、早急な増額が必要とみている。

今後は、LVZSのカルバウスキス党首との協調関係が継続するかどうかが焦点となりそうだ。すでに同性愛カップルの法的地位など、両者の意見のずれが見え始めている。(東欧経済ニュース2016年10月26日号「リトアニア選挙、中道政党が予想外の勝利」を参照)

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