伊最大手銀行のウニクレディトは8日、保有するポーランドのペカオ銀行の株式32.8%を同国の国営保険会社PZUと政府系ファンドのポーランド開発基金に売却することで合意したと発表した。財務改善に向けた資産売却の一環で、売却額は106億ズロチ(約24億ユーロ)に上る。
ウニクレディトは同時に、保有する他のポーランド企業の株式のうち6億3,400万ズロチ相当をPZUとポーランド開発基金に売却することでも合意した。これによって総額約35億ユーロを調達することになる。
同行は業績不振で財務が悪化し、欧州連合(EU)の欧州銀行監督機構(EBA)が域内主要銀行を対象に実施した2016年のストレステスト(健全性審査)で低い評価が下された。これを受けて、7月に就任したジャンピエール・ムスティ最高経営責任者(CEO)は、資産売却による財務強化に乗り出している。5日には傘下の資産運用会社パイオニア・インベストメンツの売却について、仏同業アムンディと交渉を行っていることを明らかにした。実現すれば、売却額は35億ユーロを超えると見積もられている。
ウニクレディトは資産売却のほか増資も検討しており、ロイター通信は9日、近く130億ユーロ規模の増資計画を発表する予定だと報じた。(1PLN=27.49JPY)