総務省所管の国立研究開発法人、情報通信研究機構(NICT)は16日、ロシア無線通信研究所(NIIR)およびモスクワ通信情報技術大学(MTUCI)と、包括的な研究協力に向けた合意書に調印したと発表した。両国政府間の8項目の協力プランを実行に移すのが狙いで、協力期間はいずれも3年。情報交換のほか、人的交流、共同研究の推進、研究集会の共同開催などを予定している。
NIIRとは、◇デジタル・デバイド(情報格差)の解消に向けた電波資源の有効活用技術(ホワイトスペース技術)◇モノのインターネット(IoT)の開発の土台となる通信規格Wi-SUN技術◇第5世代(5G)システムの実装――を含む情報通信分野で協力する。
NTUCIとは、◇5Gおよびそれ以降の先進的無線通信の基本設計・制御技術及び基礎理論解析技術◇Wi-SUN技術を含む無線センサー網(ワイヤレス・センサー・ネットワーク)の構築に関する技術――などで協力する。
NICTによると、NIIRは1949年の設立。無線通信、地上・衛星放送、新無線通信に関する技術開発を担う研究所だ。また、MTUCIは1921年、モスクワ電気光学・国内通信大学として創立され、1992年に現在の形となった。電気通信、情報・無線工学、経済学、経営学の高等教育・研究機関で、国際電気通信連合・電気通信開発部門(ITU-D)にも参加している。