チェコの武器輸出が好調だ。貿易産業省によると2015年の同国の武器及び装備品の輸出額は150億コルナ(約5億5,500万ユーロ)で前年の118億コルナから大きく増加した。16年にはL-159戦闘機の販売やリース売上などにより4年連続の輸出増を達成し、過去最高を更新している。
チェコ防衛安全保障協会のヒネク会長によると、L-159戦闘機は同国の武器輸出の15%を占める。輸出額の内訳は航空機が60%、軍用車両が30%、残りがライフルなどの銃器、弾薬及びその他の火器、電子システム等となっている。近年の輸出の伸びの背景には製品の品質のみならず世界情勢の変化による各国の安全保障環境の悪化があるという。
注目すべき製品には航空監視システムなどを開発するEra社の警戒監視(サーベイランス)システムや、航空機メーカーのアエロ・ヴォドホディ(Aero Vodochody)が開発した新型練習機L-39NGがある。そのほかには銃器メーカー、チェスカ・ズブロヨフカ(Ceska zbrojovka)の製品も挙げられる。
2015年の武器輸出の多くは欧州連合(EU)諸国向けで輸出額は42億コルナ。そのうち最大のブルガリアが10億コルナでそれに9億6,700万コルナのスロバキア、5億3,100万コルナのイタリアが続く。EUに次ぐのはイラクの16億4,000万コルナで、米国が11億コルナで続いた。
同国からの武器輸出は許可となっており、2015年末時点で政府から認可を受けている事業者数は法人が226社、個人が2人となっている。(1CZK=4.48JPY)