ロシア金融大手の国営VTB銀行が、オーストリアのウィーンにある欧州統括拠点をドイツのフランクフルトに移転する。英国の欧州連合(EU)離脱により欧州の金融拠点がロンドンからフランクフルトに移る見通しを受けた措置で、ウィーンには債権管理部門だけを残す。アンドレイ・コスチン頭取が19日、スイスで開催されている世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)で述べた。VTBのオーストリア法人はコメントを控えている。
今年中に欧州各国の子会社を再編し、オ―ストリアのほか、フランスとドイツの現地子会社もフランクフルトの新拠点に統合する。欧州中央銀行(ECB)と現在、新規ライセンスの発給をめぐり協議中で、年内の認可を見込んでいる。
VTBは昨年10月、欧州法人の従業員300人のうち20~30%を削減する計画を発表していた。