露VTB銀、ロスネフチ民営化に絡み融資

ロシア石油最大手の国営ロスネフチの民営化計画に関し、金融大手の国営VTB銀行が、昨年12月にロスネフチの株式19.5%を取得したスイスの国際資源商社グレンコアとカタールの国家ファンド、カタール投資庁(QIA)に対し、関係会社を経由して融資を行っていたことがこの程わかった。VTBは西側の経済制裁の対象企業となっている。

ロシア経済紙『RBC』がシンガポールの規制当局への提出資料に基づき報じたところによると、VTBが融資したのはグレンコアとQIAの合弁会社であるシンガポールのQHGシェアーズ。同社からロスネフチの前親会社で、現在は国営ガス会社ガスプロムの親会社である国営ロスネフチガスに資金が還流した。最終的にロシア政府の国家予算に繰り入れられた金額は7,110億ルーブル(120億ドル)に上る。一連の取引が終了したのは1月3日とされるが、プーチン大統領が12月に既に売却資金の国家予算への組み入れを明らかにすることができた背景にはこうした取引があった模様だ。

今回ロスネフチが売却した株式は102億ユーロ。各社の支払額はグレンコアが3億ユーロ、QIAが25億ユーロで、ほかに伊大手銀インテサ・サンパウロから52億ユーロを借り入れた。残りの22億ユーロがロシアの銀行によるものと見られている。(1RUB=1.93JPY)

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