ロシア最大手銀行の国営ズベルバンクが中国の電子商取引(EC)大手アリババとロシア国内で合弁会社の設立を計画している。現地紙『コメルサント』が18日、関係筋の話として報じた。合弁会社の株式は同行が過半数を所有する予定で、合弁会社による金融事業は禁止される見通し。同行とアリババは昨年12月以来会合を重ねてきており、基本合意に近づいている模様だ。
関係者によれば双方とも今年前半に合弁会社を設立する方向で詰めている。ズベルバンクは資金とマーケティング、物流インフラを、アリババはロシアと独立国家共同体(CIS)で手掛けるネット通販のノウハウを提供する。アリババは新会社をてこに、トルコや中東欧への事業拡大を視野に入れている模様だ。
報道に対し両社はコメントを拒否している。
アリババは2015年6月にロシアに現地法人を設立し、ネット通販のアリエクスプレスのサービスを開始した。同サイトの昨年12月のロシアからの訪問者数は延べ1億8,400万人に達している。
ロシアでのECビジネスは成長を続けており、海外から商品をネットで購入したロシア人は昨年3月までの1年間で全体の43%に上った。また同国のネット通販事業者の国外での売上は前年比で倍増し、国内での販売額を上回る20億ドルに達した。
ズベルバンクは昨年、ECビジネスの分野で世界的な企業を育成するためのプロジェクトを率先して行う方針を表明している。