ベラルーシ中央銀行(NBRB)は18日、主要政策金利であるリファイナンス金利を1ポイント引き下げ、17%とした。利下げは5カ月ぶり。翌日物貸出金利(上限金利)も1ポイント低下の22%に引き下げた。翌日物借入金利(下限金利)は11%に据え置いた。
中銀はインフレ率が低下していることに加え、通貨供給量の増加ペースが穏やかであることなどから、インフレ圧力が弱まったと判断した。2016年12月のインフレ率は10.6%で、2010年12月以来の低い水準となった。2017年1-3月期には10パーセント未満にまで低下すると見込まれており、追加利下げの可能性がある。
国内経済は安定している。2016年7-9月期の経常収支は国内総生産(GDP)比1.7%の黒字で、前年同期の0.3%の赤字から2ポイント改善した。また、7-10月期の商品・サービスの貿易収支は対GDP比4.4%の黒字となり、前年同期より2.8ポイント拡大した。
同国では昨年、外貨売りの状況が続いた。このため、今年2月1日から国内銀行やノンバンクの法定準備金の比率が国内通貨による借入金の7.5%から4%に引き下げられる一方、外国通貨による借入金の7.5%から11%に引き上げられる。さらに国内銀行は7月1日から2020年7月1日にかけて、外国通貨貸付金の損失補填の準備金を段階的に補充する義務を新たに負う。
中銀は今回の決定が国内経済のドル優位脱却を図る総合政策の一環であるとしている。また、国内銀行の信用リスクを制限し、自国通貨建て預金への資金流入を促す狙いもある。