ポーランド、メディアへの外資出資制限を法制化

ポーランドの与党「法と正義(PiS)」は、外国企業によるメディア業界への出資を制限する法改正を迅速に実施したい意向だ。「国益に寄与する」メディアを望む立場から、外資の影響力を縮小する狙いとみられる。スワフ・セリン副文化相は夏の休会までに、関連法案を策定する方針を示した。

PiSはこれまでも、「外資の傘下にあるメディアが国内世論を左右する」可能性に強い懸念を示してきたが、今回、ドイツ・スイス系メディア大手のリンギア・アクセル・シュプリンガー(RAS)のデカン社長がポーランド従業員に充てた内部文書がきっかけで議論が再燃した。国営放送TVPによると、デカン社長はトゥスク欧州連合(EU)大統領の再選で勝ったのは「ポーランド人だ」と祝意を示したうえで、(RASの)読者・ユーザーの「大多数がポーランドのEU加盟継続を支持している」とし、「ポーランドが発展のスピードを緩めないためにはどうしたらいいか、読者に呼びかけていこう」と提案した。

ポーランドがEU加盟国で独り、トゥスク大統領再選に反対したことに示されるように、PiSは反トゥスク派だ。このため、再選を祝うのは「メディアの自由に反する(PiSメディア担当者)」ということになるらしい。

ポーランドでは、RASのほか、ドイツのバウアー・メディア、米ノックヴィルがメディア大手を傘下に収めている。

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