ロシアのマントゥロフ産業商務相は先ごろ、ロシア政府が検討中の国営ハイテク企業体ロステック(Rostec)による航空機メーカー、統一航空機製造会社(UAC)の買収は時期尚早であるとの見方を示した。一方、同相はそうした決定を排除していないと述べ、ロステク傘下の主要企業の1つであるロシアヘリコプターズとUACについては大きなシナジー効果があることから、生産プロセスを最適化することでその効果はより大きくなるとの見方も示した。
今月14日にはロステックのチェメゾフ最高経営責任者(CEO)が同国のテレビ局『ロシア24』とのインタビューで、UACの買収は「良い考えだが現段階ではない」と述べていた。ロステックはUACにエンジン、電子機器及び着陸装置などの部品を供給し、UACの部品シェアの60%から70%を占める。
UACは戦闘機のミグやスホーイ、輸送機や旅客機のイリューシンなど傘下に約30の航空機関連企業を抱えている。
ロステックは軍需部門9社と民間工業部門6社の持ち株会社を傘下に持つ他、32の企業の株式を直接保有している。ロシアヘリコプター社、自動車のアフトワズ及びカマス、銃器製造のカラシニコフなどがある。