民泊仲介大手の米エアビーアンドビーがモスクワの現地子会社を閉鎖した。ロシア経済紙『コンメルサント』が先ごろ報じたもので、企業の税務情報を当局にインターネット経由で提供することを義務付ける新法の施行に対応するためとみられる。同社の担当者は同紙に対し、今回の決定は営業体制の見直しによるものだとした上で、今後は同国事業をドイツのベルリンやアイルランドのダブリン、英国のロンドンを通して事業を行っていくと述べた。
ロシアのオンラインビジネス関係者はエアビーアンドビーの決定について、所得の申告を行っていない民泊事業者のデータを当局に渡すのを嫌った可能性があると話した。7月に施行される新しい連邦法では、小売事業者は事業の収支に関わる情報をインターネット経由で当局に送ることのできる新型のレジシステムを7月1日から導入するよう求められている。
エアビーアンドビーは2012年2月にロシア子会社を設立した。イスラエルのネットビジネス調査会社SimilarWebによると、17年3月時点の同社のサイトairbnb.ruの訪問者数は385万人に上る。