国際物流大手の米ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は23日、ポーランド南部のカトヴィツェに近いミスウォヴィツェに新しい物流拠点を開所したと発表した。手狭になったカトヴィツェ拠点に代わるもので、処理能力を拡大し、配達時間の短縮を図る。
新施設は同社が進める総額20億米ドルの欧州投資計画の一環だ。面積11万平方メートルで、1時間当たり最大6,000個が処理できる小包ソータ(仕分け機)を備える。配送車の駐車能力は170台。コールセンターを含め、100人以上の職場が生まれる見通しだ。
UPSポーランド事業責任者のパヴェル・アダモフスキー氏によると、同社の取り扱った国外向け貨物発送量が今年1-3月期に20%以上増加するなど、ポーランドはグループの重要市場の一つ。ミスウォヴィツェは、(1)多くの企業が近くでポーランド全国向け物流センターを運営している(2)カトヴィツェ空港へのアクセスが良い――などの理由から立地に選ばれた。(2)の関連でUPSは、4月3日に欧州空輸ハブの独ケルン空港と同空港間の輸送能力を25%強化している。
UPSは昨年11月にポーランドにおける急送サービス取扱地域を拡大すると発表した。同時に、輸送時間を短縮して、顧客が従来より早い時間を配達時間帯に指定できるようにする方針を示した。すでに陸運部門では昨年下半期から改善を進め、欧州27カ国向けの荷物については翌日配送サービスを実現した。
UPSは1992年に現地のPPSポルクーリエと提携してポーランド市場に進出した。2001年に同社を、05年には宅配事業のストリツァ、15年には医療輸送サービスのポルトラフを買収して着々と地盤を固めた。15年にはステュリュクフで仕分けセンターを、ウッジで法人向けサービスセンターを開所している。