ハンガリーの鋳造産業の成長が続いている。2009年の不況期に一時生産量が減少したものの徐々に持ち直し、15年の生産量は07年を約15%上回った。主な供給先は自動車産業で、周辺諸国を中心に80%が輸出されている。
同国の鋳造産業の生産量は経済危機後の2010年から約32%増加し、15年には20万4,432トンに達した。同国の鋳造産業協会は18年までにさらに生産量は増え、23万トンに達するものと予想している。
同国には135の鋳造関連企業がある。そのうち鋳鉄及び鋳鋼関連企業は26社。鋳造関連企業の多くが自動車部品を生産している。製品内訳を見ると、特にアルミ鋳造製品の割合が大きく2015年には鋳造産業の生産量の半分を占めた。次いで大きかったのは鋳鉄製品で42.2%、残りは鋳鋼製品が2.8%、インベストメント鋳造製品が2.7%だった。自動車産業以外では機械、電子機器、建設関連企業に製品を供給している。全体の輸出比率は80%以上に上る。
同国の鋳造産業には外国企業も参入しており、買収などの形で外国企業の傘下に入った企業も多い。ブッシュ・フンガリア・ジェールはドイツのBPWグループ、Westcastは中国の波鴻グループ、ネマク・ジョールはメキシコのネマク、ISDドゥナフェール(Dunaferr)はウクライナ及びロシア企業の傘下にある。
最近ではハンガリー北部のコモロムにポーランドのアルメタル・グループが進出。3,000万ユーロを投じて2次アルミニウム用のアルミ鋳造施設を昨年9月に開設している。昨年12月にはフランスの自動車部品大手ベリエが、3,220万ユーロを投じてアイカとモハーチにあるアルミ鋳造施設を拡張する計画を発表している。