ロシアの新中距離旅客機「MC-21」、初飛行に成功

ロシア国営ユナイテッド・エアクラフト(UAC)の子会社であるイルクート(Irkut)は28日、イルクーツクで新型旅客機「MC-21」の初飛行に成功したと発表した。予告なしで初飛行が実施されたことついては、たびたびの計画遅延を踏まえ、イルクートが慎重な姿勢をとった結果とみられている。

「MC-21」は、ロシア政府が新興諸国の旅客機市場に参入する切り札と位置付け、開発費として2,450億ルーブル(43億米ドル)を支出するプロジェクト。エアバス「A320」やボーイング「737」に競合する省エネ型中距離旅客機として売り込む方針だ。ただ、長距離旅客機製造で提携する中国商用飛機有限公司 (COMAC)も今月初めに同じクラスの「C919」の初飛行を終えており、需要の見通しは明らかでない。

イルクートは1990年代に「MC-21」の開発を開始した。燃費性能に優れるほか、客室空間が比較的ゆったりとし、窓が大きいのも特徴という。航続距離は6,000キロメートルで、乗客定員211人の「MC-21-300」と同165席の「MC-21-200」の2モデルを用意する。

「MC-21」のこれまでの受注数は175機に上る。このうち85機は防衛持ち株会社ロステックが購入し、うち50機をアエロフロートへリースする。アエロフロートでは2019年に同機3機が就航することになっているが、遅れると予想するアナリストもいる。(1RUB=1.97JPY)

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