独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のスロバキア子会社の労働組合MOVは14日、賃上げ交渉決裂を受けて、20日から無期限ストライキに入ると発表した。スモリンスキー組合長は11度目の交渉後、現地通信社TASRに対し、「事業成功を担う従業員のために戦う義務がある」と、ストを辞さない構えを表明していた。
平均16%の賃上げを要求するMOVに対し、VWは最終回答として、今年6月1日から4.3%の賃上げに加え全従業員に一律350ユーロの一時金を支給し、来年1月にさらに4%賃上げすることを提示した。また、勤務期間や給与等級に応じた休暇・クリスマス手当の算定方法や給与等級の飛び級を容易にする制度の導入、および今回の集団契約の有効期限を来年末とすることを提案している。
VWスロバキアは従業員約1万700人を雇用する国内有数の企業。同社のマカヨヴァ広報担当は、競争力、事業成長、雇用確保を脅かすとして、16%の賃上げは許容できないと説明する。「水準以上の賃金条件と手厚い福利厚生を提供する公正で安定した優良雇用者」の立場を守るためにも、賃上げ交渉継続を望んでいる。