ポーランド北西部シフィノウイシチェの液化天然ガス(LNG)受け入れ基地が8日、米国産LNGの初供給を受けた。国営ガス・石油大手のPGNiGが今年4月に米LNG輸出会社のシェニエール・エナジーと交わしたスポット(短期)調達契約に基づくもの。PGNiGは「非常に良好な条件」と述べるにとどまり、調達量や価格など契約の詳細は明らかにしていない。
米国産LNGの中東欧への供給はこれが初めて。PGNiGのウォズニアク最高経営責任者(CEO)は、ポーランドが米国産LNGの中東欧市場への入り口の役割を担うことへの自負とともに、LNG事業の国際展開の加速に意欲を示した。
シフィノウイシチェ港のLNG受け入れ基地は総工費35億ズロチ(約8億3,000万ユーロ)をかけて2015年末に完成した。ロシア産ガスに依存しない供給体制の構築が狙いで、国内需要の3分の1弱を賄う50億立法メートルの処理能力を誇る。
PGNiGは1996年、露ガスプロムと2022年まで年85億立法メートルを購入する長期調達契約を結んだが、調達ルートの多様化を図るためスポット調達に乗り出した。昨年6月のノルウェー、今回の米国に続き、7月にも新たなスポット調達を計画している。(1PLN=29.2JPY)