ブルガリアとマケドニアが友好協定、輸送・エネルギー分野で協力

ブルガリアのボイコ・ボリソフ首相は1日、訪問先の隣国マケドニアで同国のゾラン・ザエフ首相と友好協定の覚書に調印した。両国間に横たわる懸案の政治的解決を狙ったもので、マケドニアの欧州連合(EU)、北大西洋条約機構(NATO)加盟に弾みがつく可能性がある。経済面では主に輸送、エネルギー分野で緊密に協力する。

両国は言語、宗教、歴史的に共通点が多い。このためブルガリアでは、マケドニア語は自国語の方言で、国土の大半がブルガリアに属するとの考えが強い。また、少数民族の権利を巡っても火花を散らすなど、長らく関係がぎくしゃくしていた。

今回の合意文書では経済関係の深化に加え、領有権の主張の放棄、人権の尊重と少数民族の権利保護を確認。マケドニアが目指すEU、NATO加盟を隣国ギリシャが阻んでいることを踏まえ、加盟実現に向けてブルガリアが後押しすることも盛り込んだ。ザエフ首相は「協定は2国間のみならず、地域の政治的安定に寄与する」と述べた。

経済面では、ソフィアとスコピエ間を結ぶ鉄道路線の建設と、天然ガスパイプラインの接続で合意した。同鉄道路線は、ブルガリアの黒海沿岸からアルバニアのアドリア海沿岸に至る汎欧州輸送回廊8号線の一部を構成する。ボリソフ首相は「回廊8号線はバルカン半島における交易や企業活動を促進するものだ」と述べ、新区間の開通に期待を示した。

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