天然ガス輸送事業を手掛けるルーマニアのトランスガスと仏GRTガスが、ギリシャ同業DESFAの民営化入札に共同で参加する方針だ。トランスガスは9日、関心表明書を提出した事実を明らかにした。それによると、GRTガスと提携してDESFA株66%を取得し、欧州エネルギー市場の安定に貢献する。
DESFAの過半数株売却は、ギリシャ政府が欧州委員会と合意した
ギリシャ経済復興策の一環。2013年に一旦、アゼルバイジャン国営石油会社ソカールへの売却が決まったが、15年のギリシャ議会選挙後に政府側が民営化する株式の比率を49%に縮小したことから交渉が決裂した。
トランスガスは昨年9月、送ガス事業の提携でDESFAと基本合意書に調印。政府がソカールとの交渉中止を正式発表した同12月、DESFA買収を検討している事実を明らかにしていた。
DESFAの出資構成は現在、政府が65%、製油最大手のヘレニック・ペトロリウムが35%となっている。