ポーランド国鉄のインフラ管理会社であるPKP PLKが列車運行の安全性向上に向け、欧州列車制御システム「ERTMS/ETCS-2」の導入準備を加速させている。先月、幹線鉄道路2区間について仏タレスを発注先に選んだばかりだが、このほど、2つの区間で新たに入札を告示した。
入札対象の1つ目の区間は、E59号幹線のポズナニ~ヴロツワフ間で、見込み価格(税抜き)は1億4,000万ズロチ(3,250万ユーロ)に上る。資金については、欧州連合(EU)の交通網整備計画「コネクティング・ヨーロッパ」の助成を申請済みだ。来月6日に応札を締め切る。
もう1つの区間は、278号線のズゴジェレツ~ヴェングリニエツ区間。見込み価格(税抜き)は3,930万ズロチ(910万ユーロ)で、今月31日まで応札を受け付ける。
東西を結ぶE20号幹線のクノヴィツェ~テレスポル区間とE30号幹線のポドウェンジェ~クラクフ区間は、昨年末に入札手続きが始まった。その結果、タレスが先月、両区間についてそれぞれ6億9,100万ズロチ(1億6,080万ユーロ)、8,220万ズロチ(1,910万ユーロ)で落札した(いずれも税抜き価格)。
一方、列車無線システム「GSM-R」の導入では、すでに2015年9月に鉄道全長の3分の2に当たる1万3,600キロメートル強について入札手続が始まった。今年1月末の発表によると、18社が入札資格を獲得した。このうち、発注規模がダントツで大きい「第1区間」(見込み価格:税込で37億ズロチ(8億6,090万ユーロ))については5社が応札できることとなった。
その後、公式発表はないが、メディア報道によると「第1区間」についてはカプシュ・キャリアコム/ポルのオーストリア連合が見込み価格と同額で、ノキアソリューションズと地場系ヴェスコの企業連合が26億ズロチ(6億500万ユーロ)で、中国企業連合が48億ズロチ(11億1,680万ユーロ)を提示したもようだ。(1PLN=30.84JPY)