石油大手MOL、独ティッセンからポリオール生産ライセンス取得

ハンガリー石油最大手のMOL(ブダペスト)は12日、ポリエーテルポリオール及びポリピレングリコールの生産に向け、独ティッセンクルップのタイ子会社と技術供与契約を交わしたと発表した。7月の酸化プロピレン(PO)生産ライセンス取得に続くもので、中東欧のポリオール生産でトップの座を目指す。

MOLは長期戦略「MOL 2030」で、中間品や特殊化学品など、付加価値の高い下流事業に守備範囲を広げる方針だ。第1期投資(2017~21年)は、ポリウレタンフォームの主原料で、自動車から包装材・家具業界まで広範囲の需要が見込めるポリエステルポリオールの生産立ち上げが柱。7月の契約では、ポリエーテルポリオールの原料となるPOの生産技術(過酸化水素法:HPPO法)の供与を受けることで、独エボニック及びティッセンクルップと合意しており、今回の契約でポリオール生産プロジェクトに必要なライセンスがすべてそろった。

計画策定・設計業務(エンジニアリング)はタイにあるティッセンクルップ油脂化学研究開発・技術センターが担当する。また、ティッセンクルップは今回の契約に付随してポリエーテルポリオール生産設備の納入・設置業務を仮受注した。

なお、プロピレングリコールはポリオール生産の副産物だが、不飽和ポリエステルレジンの原料となるほか、化粧品、医薬品の配合剤などとして使われており、MOLでは需要は十分とみている。(東欧経済ニュース7月26日号「ハンガリー石油最大手MOL、独エボニック及びティッセンと提携」を参照、注:同記事で酸化プロピレン工場の生産能力を200トンとありますが、20万トンの間違いでした。お詫びするとともに訂正します。)

上部へスクロール