スロバキアのスタートアップ企業、キナゾ・デザイン(Kinazo)がこのほど、3Dプリンターで製造した電動アシスト自転車「エンデュロ(enduro)」を発表した。同社によれば、このような自転車が製品化されるのは世界で初めて。好みに合わせて1台1台、デザインを変えられる「特注性」が売りだが、小売価格は新車並みの2万ユーロ前後と高い。
エンデュロはアルミニウム製のオフロード自転車。モーター・バッテリーをフレームに内蔵し、20キロの重さがある。クロスカントリーを好むレーサーや富裕層をターゲットとする。3Dプリンターの使用により1人1人の好みに合わせた特注自転車が作れるほか、3D部品使用で溶接が不要となり、強度を向上する場合にもデザインを変えずに対応できる。
キナゾ・デザインでは年100台程度の販売を見込むが、将来的に3Dプリント費用が下がれば価格も安くなり、需要が広がるとみている。
製品開発・生産では独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)のブラチスラバ工場と提携してる。同工場は金属部品を生産できる3Dプリンターを備え、自動車産業のほか、「革新的で技術度の高い」(VWスロバキア)他業種企業とも協力関係を築いている。