チェコのネット通販拡大、今年は1000億コルナ超の予想

チェコでネット通販が拡大している。同国のネットショップの売上高は過去5年間で倍増、

今年は1,000億コルナ(39億2,300万ユーロ)の大台を超えると予想されている。クリスマスシーズンを前に送料無料の特別期間を設けるなど各社は工夫を凝らして顧客を引き寄せようとしている一方、実店舗を展開する事業者もネット販売に乗り出すなど、小売業者間の競争は激しさを増している。

同国のネットショップはクリスマスシーズンを控え、パートの臨時増員や配送現場での3シフト制導入など対応を始めている。こうした動きは11月の感謝祭後の金曜日である「ブラックフライデー」に始まる買い物シーズンに合わせたものだ。同国のネットショップの1つMall.czはブラックフライデーのみで7万5,000件の注文をさばく必要があり、12月までの間、従業員を3分の1増員して対応する計画だ。同業Notinoは通常400人の従業員数を12月にかけて1,000人まで増員し、24万件に上ると予想される注文に対応する。

同国におけるネットショップの売上高は2012年の510億コルナから2016年には980億コルナまで増加し、5年間で倍増した。今年は1,000億コルナの大台を超え1,150億コルナに達するものと予想されている。小売売上高に占めるネット販売の割合も昨年の9.5%から増加し11%を上回る勢いだ。

ネットショップの数は2014年の3万7,000超をピークに減少し、昨年は3万6,000余りとなった。専門家は市場での競争が激しいことから、今後はネットショップ同士の合併が多くなると予想している。

実店舗を運営する事業者も激化する休暇中の販売合戦でネットショップに対抗するため、価格設定を同じにしたり特別割引を実施したりしている。実店舗を持ちながらネットショップを開設するところも少なくない。衣料やガーデニング用品をネット上で販売するドイツの小売大手リドル、食品の宅配も行う英国のテスコがその例だ。スカンジナビアを中心にワインを販売するグローブスはオンラインのセレクトショップを開設している。

市場アナリストは、ネットで販売される商品は今のところ本、香水、衣類、玩具が中心だが、今後は米国のように商品の多様化が進むとの見方を示している。(1CZK=5.24JPY)

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