ルーマニア国家統計局(INS)が5日発表した2017年7-9月期の経済成長率は前年同期比で8.8%となり、4-6月期の6.1%から加速した。農業と製造業の好調と、消費増大に支えられた。
前期比では2.6%となり、伸び幅は前期の2%より拡大した。1-9月期では前年同期比で非調整値が7%、調整値が6.9%それぞれ拡大した。どちらも速報値と変わらなかった。
7-9月期の成長率を分野別に見ると、製造業は前年同期比7.8%、最終家計消費は11.4%、総固定資本形成は8.8%、農業は33.4%とそれぞれ大きく拡大したものの、建設業は1%減と低迷した。
モノ・サービスは輸入が10.9%、輸出が8.1%それぞれ拡大した。
同国の2016年通期の経済成長率は前年比4.8%。今年度予算では経済成長率6.1%、財政赤字は国内総生産(GDP)比で2.96%が予定されている。
米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは11月、マクロ経済の不均衡是正での同国の改善を認めつつ、財政政策の緩やかなペースと改革欠如のため、中期的には改善が損なわれる可能性を指摘した。
欧州委員会は同月、同国の2017年財政赤字の削減努力が十分ではなく、GDPの0.8%超の年次調整が必要だと述べた。そして財政赤字目標を達成できない可能性を警告し、過剰な赤字是正措置を避けるための行動を促した。
また同時期に欧州復興開発銀行(EBRD)は同国の17年通期の経済成長率が5.3%となる期待を表明した一方、赤字目標を達成できない可能性を警告した。
IMF(国際通貨基金)は10月、同国の今年通期の実質GDP成長率は5.5%に達するが、18年には4.4%に減速すると予測している。