日本とは違い、欧州では年明けの風物詩である花火。しかし、スリルを味わうために入手した「違法花火(安全基準を満たしていない花火)」が事故につながり、毎年けがなどの被害が出ている。
師走という時期もあいまって、ドイツでは東欧を経由して持ち込まれた違法花火の摘発が増えている。中には含まれている火薬の量が850グラムと、平均的な手榴弾の8.5倍に上る「爆竹」や、導火線が超スピードで燃えるために発射までに逃げる時間がない打ち上げ花火もあり、警察では注意を呼びかけている。
税関によると、現在、違法花火の輸入を理由に1,400件の司法手続きが進められている。2014年に摘発された例では、北東ドイツの兵士が友人と2人でポーランドのサーバー上で運営されているスロバキアのネットショップで種類の違う違法花火6キログラムを200ユーロで注文。2人で分け合った。
オランダ警察が押さえた「違法花火注文者リスト」に載っていたために御用となったが、購入者の多くはこのような若い男性で、単に「でっかい花火」を求める個人購入者だ。このケースでは本人が反省していることもあって、1,000ユーロの罰金と違法花火の処理費を払うだけで御免となった。が、摘発例をみると、ポーランドで2.1トンの違法花火を買って帰る途中のオランダ人や、オランダナンバー車に5トンを積んでベルギーへ行く途中だったラトビア人など、「業務用」としか考えられない規模のケースもある。
ドイツの警察は、CEマーク、検査機関コード、登録番号がついているかを確かめるほか、マークがかすれているなど、疑わしいものには火をつけないよう呼びかけている。発射音で耳に障害が残ったり、やけどや、指や脚の切断といった甚大な事故につながる恐れがあるためだ。