スロバキアで転職する人が増えている。人手不足で雇用条件が求職者に有利になっているためだ。中欧で事業を展開する人材紹介会社グラフトンの調べによると、昨年、退職届を出したスロバキア人は5人に1人となり、今後6カ月内に仕事を辞めるつもりの人も38%に上っている。
退職した割合を業種・職種別にみると、マーケティング、観光、運輸が3人に1人と最も多い。メディア、法律事務所も転職傾向が強い。
一方で繊維・皮革は6人に1人と最も少ない。これに、高級管理職、高額エンジニア、機械エンジニアが続く。
県別では、転職機会の多いブラチスラバ県が最も多い。ニトラ県は最も少ないが、それでもなお離職率は20%弱に上っている。
退職の希望時期を今後1カ月以内と答えた人の比率は回答者全体の18%、6カ月以内は38%、1年以内は31%だった。これらの人の81%が20~40歳、75%が大卒者で、94%が民間部門で就労している。
転職の動機のトップはずばり「給料」。回答者の過半数は、昨年、給料が上がったと答えているが、もっともらえるならば転職したいというところらしい。2番目はキャリア向上、3番目は転職を迫られる事情がある、4番目は人間関係だった。人間関係の悪さは勤労意欲をそぐ最大の要因にあげられている。