アマゾン、チェコ返品業務をスロバキアに移転

ネット通販最大手の米アマゾンはこのほど、プラハ近郊のドブロヴィースの返品受付センターを今年3月に閉鎖すると発表した。同センターの業務はスロバキア西部セレトの拠点に移管するとともに、従業員はドブロヴィースの物流センターに異動する。

昨年11月に開所したセレトの物流拠点は、アマゾンでも最大かつ最新設備を備えた拠点のひとつだ。しかし、人手不足が深刻化するスロバキア西部にあって人材確保が難しく、現在も求人を続けている。このような状況で、セレトから約20キロ離れたヴォデラディにある韓国サムスン電子の薄型テレビ部品工場が今年4月に閉鎖することから、アマゾンはその工場従業員約1,500人の一部をセレトの返品受付センター向けに雇用できると期待している。アマゾン・スロバキアのレメナロバ広報部長は「ヴォデラディ工場の従業員は、アマゾンのセレト拠点またはブラチスラバの本部で再就職できる」と明言した。

サムスンは今年1月にヴォデラディ工場を閉鎖し、20キロ離れたガランタ工場へ生産を移管すると発表していた。長引く人材不足と賃上げ要求が理由だった。ヴォデラディ工場は約570人の正社員と1,000人以上の派遣社員を抱える。

専門家は、サムスンの従業員がアマゾンに流れる可能性は高く、サムスンが提示する条件次第とみている。サムスンはヴォデラディ工場の正社員全員に、現在と同じ条件でガランタ工場への異動を保証している。

閉鎖予定のドブロヴィース返品受付センターは2013年に開所した。一方、同地の物流センターは15年9月に開所し、床面積は9万5,000平方メートルに及ぶ。1,800万個の荷物の処理能力があり、1日に最大100万個の荷物を配送できる。前述のレメナロバ広報部長は「アマゾンはチェコ業務をドブロヴィース物流センターでの配送業務に集中して行く」と述べた。

アマゾンは全世界に140超の物流センターを構え、その3分の1は欧州にある。

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