ロシア国家ファンド、サウジアラムコのIPO参加に意欲

ロシア政府系のロシア直接投資基金(RDIF)が、サウジアラビア国営石油会社のサウジアラムコが実施する新規株式公開(IPO)に参加する意向を持っていることがわかった。同基金のキリル・ドミトリエフ総裁が14日、訪問先のリヤドで明らかにしたもので、ロシアの複数の銀行の他、ロシアと中国の国家ファンドが出資するロシア・中国投資ファンド(RCIF)も同IPOに関心を示していると述べた。サウジアラビア政府は今年中にアラムコ株の5%を売却することを計画している。

アラムコのIPO実施は石油に依存する経済構造から脱却しようとするサウジアラビア政府の動きの一環。売却額は政府推計で2兆ドルに達する見通しだ。

ロシアとサウジアラビア間では最近、原油価格の低迷を背景に協調減産に向け連携するなど協力関係が深まっている。

ドミトリエフ総裁はまた、RDIFとアラムコがロシア最大の独立系石油開発事業者であるユーラシア・ドリリング社(Eurasia Drilling Co.)に対する投資を共同で行うことを予定していると述べた。同総裁によると、投資規模は10億ドルで、今後3カ月以内に実施される見通しだ。

一方、サウジアラビアのハリドアルファリ・エネルギー工業鉱物資源相は同日、ロシア側の要請を受けアラムコが北極圏のヤマル液化天然ガス(LNG)開発プロジェクトへの参加を検討していることを明らかにした。

RDIFは2011年に設立された国家ファンドで、基金総額は100億ドル。これまでの投資額は1,000億ルーブル(14億1,440万ユーロ)に上る。(1RUB=1.88JPY)

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