ロシア国営銀行VTB、流通大手マグニトに29.1%出資

ロシア2位銀行の国営VTBは19日、国内流通大手マグニトの創業者セルゲイ・ガリツキ最高経営責任者(CEO)から同社の株式29.1%を取得したと発表した。取引額は1,380億ルーブル(19億6,900万ユーロ)。政府系金融機関が小売業界大手への影響力を確保した初の事例で、CEOの交代も伴うため、市場は同取引に懸念を示した。

マグニトは南部クラスノダールを本拠とし1994年に設立された。低所得層に狙いを定めた安売りスーパーを展開し、店舗網を急速に拡大して国内最大の流通業者に成長した。

しかし昨年は競合X5の値下げ戦略に苦戦。業界1位の座を奪われ、株価が半減した。先月発表の2017年利益は34.7%減の3,553億ルーブル(50億7,020万ユーロ)に縮小し、今年は無配となる見通しを明らかにしていた。

ガリツキ氏はマグニト株3%を継続保有するものの、経営からは完全に退く。CEO後任には、ハチャトゥル・ポンブフチャン最高財務責任者(CFO)が就任する。

VTBとマグニト、ロシア郵便は、今回の取引発表の直前に、通信販売と物流における提携合意も明らかにしていた。VTBは金融パートナーとして参加する計画で、デジタル時代に対応した物流系企業を育てる方針とみられている。(1RUB=1.88JPY)

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