ラトビア3位銀行ABLV、清算へ

北朝鮮などの資金洗浄(マネーロンダリング)に関与した疑いが浮上し、資金繰りが悪化していたラトビア3位の金融機関、ABLV銀行が清算されることとなった。欧州中央銀行(ECB)と、ユーロ圏の銀行破たん処理を担う単一破綻処理委員会(SRB)の判断に基づくもので、ラトビア本社はラトビアの、ルクセンブルグ子会社はルクセンブルグの金融監督当局の指導の下、清算処理が行われる。預金保険制度に基づき、10万ユーロまでの預金は払い戻しが保証される。払い戻し総額は4億7,000万ユーロに上る見通し。

ECBは24日、ABLV銀が「破綻したか、あるいは破綻する可能性が強い」という見方を公表した。また、同行の破産がラトビア金融システムの危機につながることはないというSRBの判断に基づき、清算処理を各国の金融監督当局にゆだねた。

ABLV銀は今月13日、米財務相が資金洗浄関与を理由に米国資産の凍結処分を受けた。これを機に預金を引き出す顧客が相次ぎ、流動資金不足に陥った。ECBは預金流出による破綻を防ぐため、18日、同行に支払停止を命じていた。

ABLV銀などラトビアの銀行は、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンなど外国居住顧客との取引を柱としている。一方で、ラトビアに住む人を対象とする個人向け(リテール)事業は、SEB、スウェドバンクなどスウェーデン系銀行が有力だ。

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