英通信大手ボーダフォンは19日、ルーマニアのIoT(モノのインターネット)サービス会社エボトラッキング((Evotracking))の買収で合意したと発表した。現地でのIoT関連事業の強化が狙い。買収額は明らかにしていない。エボトラッキングはEVOGPSのブランド名で、主に物流向けに移動体通信サービス(テレマティクスサービス)を提供している。
エボトラッキングは2009年の設立。リアルタイムでの車両追跡(トラッキング)や燃料管理、ドライバーの行動分析など物流におけるテレマティクス事業に強く、40以上の物流管理製品を販売している。
ボーダフォンはルーマニアで2003年以来、小売、物流、電力などの企業に対しIoT関連サービスを提供してきた。昨年11月には石油・ガス産業向けに、狭帯域を利用したIoT技術(NB-IoT)のテスト運用を同国で初めて成功させている。同技術は低電力で通信速度も低いことから、高速通信の必要がないIoTに最適とされる。
同社の昨年12月末時点の同国での契約数は計994万件で、そのうちモバイル通信の契約者数は922万人に上る。10-12月期の売上高は前年同期比2.2%増の1億8,200万ユーロだった。