ポーランド石油最大手PKNオルレン、2位ロトスを買収

ポーランド石油最大手PKNオルレンは2月27日、同業2位の国営グルパ・ロトスを買収することで同国財務省と合意したと発表した。オルレンがロトスの株式53%以上を取得する。資金調達の方法については明らかにされていない。

オルレンによると今回の買収は、市場の変動に強く国際的な競争力を備えた統合会社をつくることを目的としたもので、1年以内に取引を完了する予定。一部では競争当局の承認を得るため、両社の小売市場シェアを引き下げる必要があると報じられている。

ワルシャワ証券取引所に上場しているオルレンは株式の27.5%を国が保有している。2月26日時点の時価総額はオルレンが約400億ズロチ(95億7,300万ユーロ)、ロトスは100億ズロチ。オルレンの発表後、両社の株価は数パーセントずつ上昇した。

現地日刊紙『パルキエトデイリー』は昨年、両社の合併は避けられないとする政府高官の発言を報じていた。

同国の証券会社DM BOSのアナリスト、プロコピウク氏はロイター通信に対し、買収完了後の新会社の営業利益(EBITDA)は改善するとの見方を示した。別のアナリストは原油の購買力と資金力が強化されると話した。

現地経済紙『プルス・ビズネス』は、同国の競争当局UOKiKの承認を得るには両社が小売部門の一部を手放す必要が出てくる可能性があると報じている。現在、両社を合わせた小売市場シェアは44~45%と上限の40%を上回っており、同紙の試算では200のスタンドを手放す必要がある。また合併について欧州委員会の承認が必要となる可能性もあるが、UOKiKのニエヒツィアル長官は国営ポーランド通信(PAP)に対し、欧州委がUOKiKに決定を一任するかもしれないと述べた。

PKNオルレンはポーランド国内に1,776の給油所を持ち、小売りの市場シェアは34%。一方ロトスの給油所数は485で、市場シェアは10%となっている。(1PLN=31.07JPY)

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