大手格付け会社の米ムーディーズは7日、トルコの長期信用格付けを投機的水準の「Ba1」から「Ba2」に引き下げた。政府の信頼性が弱まっていると同時に、外的ショックに対するリスクが高まっていることを理由にあげた。見通しは「ネガティブ」から「安定的」に変更した。
ムーディーズは、トルコの安定性が失われてきたことは金融政策の効率悪化や構造的経済改革の実施の遅れに表れており、短期志向の政策姿勢に原因があると指摘する。また、経常赤字や対外債務の増加に加え、政治リスクや国際金利上昇を背景に資金のロールオーバー(買い替え)の必要性が高まっていることから、外的ショックに脆くなっていると分析する。
このような理由から、「外貨資金の流入が急に破壊的に反転し、現状でさえ不十分な外貨準備が激減することで、最悪の場合、国際収支危機に陥るという可能性が一年前より高まっている」と、厳しい見立てをしている。
ムーディーズは2016年9月、景気減速や投資環境の悪化を理由に、トルコの長期信用格付けを「Baa3」から投資不適格級の「Ba1」に引き下げた。