トルコの金融監督当局である銀行調整監視機構(BDDK)は12日、年内にトルコ独自の信用格付け機関を設立する計画を明らかにした。メフメト・アリ・アクベン理事長は「トルコ経済とトルコ企業を熟知した格付け機関を作ることで、国内金融機関の債務コストを押し下げる」という動機があることを示唆。国際格付大手によるトルコ国債の格下げが続いていることへの対応措置であることを匂わせた。
現在は、格付け機関の組織形態をつめている段階だ。アクベン理事長は「複数銀行による共同設立、民間資本による設立といった形が考えられる」とした上で、「銀行が共同出資する場合は、各行の持ち分を10%以下とするなどの条件が出てくるだろう」と話した。
米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは6日、トルコの長期債務格付けを「Ba1」から「Ba2」へ1段階引き下げた。行政機関の弱体化や、経常赤字に起因する外的ショックのリスクを理由としている。フィッチ・レーティングスは「BBプラス」、スタンダード&プアーズは「BB」としており、3社とも「投機的」と評価している。